文献詳細
今月の主題 臓器移植と臨床検査
話題
文献概要
1.はじめに
肺移植は,欧米先進国では終末期の肺疾患に対する究極的な治療法として普及し,近年では年間1,000例以上の移植が行われ累積症例数も6,000例以上となり,現在は腎,心,肝移植に続いて臨床移植医療としての地位を確立したと言える1).一方,わが国では脳死を前提とする臓器移植はまだ行われていない.しかし,"臓器の移植に関する法律案"が1997年6月に国会で修正の後,成立したことから,わが国でも脳死者からの心,肝移植に続いて肺移植が開始される日も近いと思われる.そこで,本稿では欧米の臨床成績,現在の問題点と肺移植開始に向けたわが国の現況を述べる.
肺移植は,欧米先進国では終末期の肺疾患に対する究極的な治療法として普及し,近年では年間1,000例以上の移植が行われ累積症例数も6,000例以上となり,現在は腎,心,肝移植に続いて臨床移植医療としての地位を確立したと言える1).一方,わが国では脳死を前提とする臓器移植はまだ行われていない.しかし,"臓器の移植に関する法律案"が1997年6月に国会で修正の後,成立したことから,わが国でも脳死者からの心,肝移植に続いて肺移植が開始される日も近いと思われる.そこで,本稿では欧米の臨床成績,現在の問題点と肺移植開始に向けたわが国の現況を述べる.
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