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特集 感染症診断へのアプローチ 総論
Ⅲ.臨床微生物検査法の進歩―2.塗抹鏡検法・培養同定法
著者: 中野忠男1
所属機関: 1大分医科大学附属病院検査部
ページ範囲:P.1233 - P.1239
文献購入ページに移動1.はじめに
一般に細菌検査の最終結果報告は数日の猶予を必要とするが,グラム染色は幾とおりかの方法があるにせよ,ほとんどの施設で比較的簡単に実施できる.そして,その結果は臨床サイドに提供できる一番最初の報告である.しかしながら,検査での安易な対応は初期診療に重大な誤解をもたらす危険性があることを肝に命じておかなければならない.また,培養同定においては各メーカーから多種類の粉末・生培地,同定キットおよび自動機器が市販され,その選択と菌同定の範囲には各施設の歴史と個性が反映されている.言うまでもなく細菌検査における造詣の深さは,特に形態学的分野において,個々の経験に負うところが大きい.そのため,ときとしてひとりよがりな結果に満足してしまうことの危険性を内包しているとも言える.
本稿では塗抹鏡検法について検査技術における基本的事項を,培養同定法おいて培地・同定キット・自動機器を中心に述べる.
一般に細菌検査の最終結果報告は数日の猶予を必要とするが,グラム染色は幾とおりかの方法があるにせよ,ほとんどの施設で比較的簡単に実施できる.そして,その結果は臨床サイドに提供できる一番最初の報告である.しかしながら,検査での安易な対応は初期診療に重大な誤解をもたらす危険性があることを肝に命じておかなければならない.また,培養同定においては各メーカーから多種類の粉末・生培地,同定キットおよび自動機器が市販され,その選択と菌同定の範囲には各施設の歴史と個性が反映されている.言うまでもなく細菌検査における造詣の深さは,特に形態学的分野において,個々の経験に負うところが大きい.そのため,ときとしてひとりよがりな結果に満足してしまうことの危険性を内包しているとも言える.
本稿では塗抹鏡検法について検査技術における基本的事項を,培養同定法おいて培地・同定キット・自動機器を中心に述べる.
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