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付:新たな感染症予防法―約100年ぶりの伝染病予防法改正
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ページ範囲:P.1351 - P.1352
文献購入ページに移動 現行の伝染病予防法は1897年(明治30年)にその基本骨子が制定されたもので,これまで数回にわたり追加と一部改正がなされたものの,現状にそぐわない多くの問題点を抱えていた.そのため,その抜本的な改正の必要性が数年来論議されてきたが,ついに"感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律"が1998年3月からの審議を経て,9月25日に衆参両院を通過し10月2日に公布された.本法は厚生省が新型感染症の国内侵入に備えて現行の感染症対策関連法のうち,伝染病予防法,性病予防法および後天性免疫不全症候群(エイズ)予防法を廃止して,新法に一本化して,狂犬病予防法および検疫法を一部改正するものである.ただし,食品衛生法は従来どおり存続するので,食中毒に関して変更点はない.本法は1999年4月1日から施行予定であり,感染性腸炎領域における行政的な対応も大きく様変わりすることになる.
本法の対象とする感染症は5つに分類されて,1番目が1類感染症と呼称され,感染力の強い危険性のきわめて高い感染症(ウイルス性出血熱,ペストが含まれる),2番目が2類感染症と呼称され,危険性の高い感染症(コレラ,細菌性赤痢,腸チフス・パラチフス,ポリオ,ジフテリアが含まれる),3番目が3類感染症と呼称され,危険性は高くないが,特定職業への就業で集団発生が起こり得る感染症(腸管出血性大腸菌感染症が含まれる),4番目が4類感染症と呼称され,発生・動向調査を要する感染症(インフルエンザ,ウイルス性肝炎,エイズ,クリプトスポリジウム症,梅毒,マラリアなど),5番日が"新感染症"(人から人に伝染すると認められる疾病であって,すでに知られている感染性の疾病とその病状または治療の結果が明らかに異なるもので,当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり,かつ,当該疾病の蔓延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの)となっている.1類感染症は原則入院とされ,2類感染症は状況に応じて入院が,3類感染症は特定職種への就業制限が必要とされている.本法の概略は表4に示したとおりで,感染症指定医療機関は特定,第1種,第2種の3種に区分され,感染症類型によって担当する医療機関が定められている.
本法の対象とする感染症は5つに分類されて,1番目が1類感染症と呼称され,感染力の強い危険性のきわめて高い感染症(ウイルス性出血熱,ペストが含まれる),2番目が2類感染症と呼称され,危険性の高い感染症(コレラ,細菌性赤痢,腸チフス・パラチフス,ポリオ,ジフテリアが含まれる),3番目が3類感染症と呼称され,危険性は高くないが,特定職業への就業で集団発生が起こり得る感染症(腸管出血性大腸菌感染症が含まれる),4番目が4類感染症と呼称され,発生・動向調査を要する感染症(インフルエンザ,ウイルス性肝炎,エイズ,クリプトスポリジウム症,梅毒,マラリアなど),5番日が"新感染症"(人から人に伝染すると認められる疾病であって,すでに知られている感染性の疾病とその病状または治療の結果が明らかに異なるもので,当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり,かつ,当該疾病の蔓延により国民の生命および健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの)となっている.1類感染症は原則入院とされ,2類感染症は状況に応じて入院が,3類感染症は特定職種への就業制限が必要とされている.本法の概略は表4に示したとおりで,感染症指定医療機関は特定,第1種,第2種の3種に区分され,感染症類型によって担当する医療機関が定められている.
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