icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 感染症診断へのアプローチ 各論

6.腹腔内感染症

著者: 加藤高明1

所属機関: 1日本大学医学部第3外科学教室

ページ範囲:P.1353 - P.1368

文献購入ページに移動
はじめに
 腹腔内に感染が発症すると,腹膜および周囲組織に炎症が広がる.感染巣から直接または腹膜を通して吸収されたエンドトキシンや,炎症および細菌・エンドトキシンなどにより惹起されたメディエーター(chemical mediator)の作用により,循環障害や組織障害が引き起こされる.この病態が出現する前に早期診断し,適切な治療をしなければ,敗血症から播種性血管内凝固症候群(dis-seminated intravascular coagulation;DIC),多臓器不全(multiple organ failure;MOF)を引き起こし,致命的となる.したがって,腹腔内感染症は重篤な病態を引き起こす疾患で,診断および治療に緊急を要する.このため,検査技師と医師とが連携し,必要な情報の交換や提供ができる体制を確立する必要がある.本稿においては腹腔内感染症の診断方法と,これに必要な基礎知識について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?