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特集 感染症診断へのアプローチ 各論
13.熱傷感染
著者: 岡林清司1 横山隆2 大谷美奈子3 山野上敬夫4 世良昭彦4 板羽秀之5
所属機関: 1広島大学医学部救急医学 2広島大学総合診療部 3広島大学救急医学 4広島大学救急部,集中治療部 5広島大学附属病院検査部細菌検査
ページ範囲:P.1429 - P.1437
文献購入ページに移動熱傷は最大の外傷侵襲であるとされ,医学が発達した現在においても広範囲熱傷の生命的予後は必ずしも良好とは言えない.その最大の理由は,熱傷感染から敗血症,多臓器不全へと進行し死に至る症例がいまだ多く存在していることにあり,熱傷患者の救命のための今日的課題は熱傷感染対策であると言っても過言ではない.皮膚,粘膜は生体内部環境を保護する第1のバリアーであるため,これらのバリアーが広範囲に障害されると外因性あるいは内因性の細菌の付着,侵入が容易になり,熱傷創感染から全身感染症に進展する危険性が高くなる.加えて,熱傷侵襲により全身的な感染防御機構が著しく障害され,同時に使用される抗菌薬は常在細菌叢を撹乱し,耐性菌の定着,増殖を引き起こし,bacterial translocation(BT)などを生じやすくする.
本稿では熱傷における生体反応,細菌感染の機序,重症化の理由などとともに実際の細菌感染症の診断と起炎菌の検索などについて述べてみたい.
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