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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻11号

1998年10月発行

文献概要

特集 感染症診断へのアプローチ 各論

14.院内感染(日和見感染)

著者: 青木泰子1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系内科学

ページ範囲:P.1439 - P.1452

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はじめに:院内感染,日和見感染とは?
 1.院内感染
 院内感染(nosocomial infection)あるいは病院感染〔hospital (acquired) infection〕とは病院内で接種された微生物により惹起される感染と定義される.社会生活の場で起こる感染(市中感染;community-acquired infection)に対する概念である.
 厳密には,入院前に感染して入院時に潜伏期にあった感染症は含まず,入院中に感染して退院後に症状が出現した場合は含むとされる.実際にはすべての感染症について感染場所を特定できるわけではないので,便宜的に,入院後48~72時間以上経過して感染症状を呈した例を院内感染とする場合が多い.しかし,水痘,風疹などの潜伏期が長い疾患では,もっと長時間後の発病でも院内感染とは限らないし,結核のように既感染者の再燃と院内感染による発症なのか区別し難い疾患もある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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