icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻11号

1998年10月発行

文献概要

Topics 1998

Emerging/Re-emerging Infectious Diseases (新興・再興感染症)

著者: 岡部信彦1

所属機関: 1国立感染症研究所感染症情報センター感染症情報室

ページ範囲:P.1454 - P.1456

文献購入ページに移動
1.感染症の変貌
 かつて"病気"と言えば感染症(伝染病)がその代表であったが,抗生物質やワクチンの開発と普及・衛生環境の向上・栄養状態の改善などにより,かなりの感染症は激減した.その結果,あたかも感染症は簡単にコントロールができるものかのような錯覚が持たれ,一般の人々の"感染症(伝染病)"に関する警戒心は薄らいでしまった.医学教育・研究部門までもが感染症の分野は縮小され,感染症の診断と治療に関する医療センスは低下した.
 人類が人類の手によって完全に制圧することができた感染症は,これまでに天然痘ただ1つである.一方ではこれまでに存在しなかった感染症,病原が証明されるなど感染症であることが明らかになった疾患,すでにわれわれの目の前から姿を消してしまったかのようになっていたが再び姿を現してきた感染症の数はむしろ増加している状況にあり,新たなる問題がわれわれの前に投げかけられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?