文献詳細
文献概要
Topics 1998
薬剤耐性菌感染症PRSP(PISPを含む)―ペニシリン耐性(中等度耐性)肺炎球菌
著者: 小栗豊子1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属病院臨床検査部
ページ範囲:P.1464 - P.1465
文献購入ページに移動 ペニシリン耐性肺炎球菌は,1977年,南アフリカで小児の化膿性髄膜炎患者から初めて分離され1),これを契機に,世界各地でこのような耐性株の報告が相次いだ.わが国における最初の分離は,この3年後の1980年である2).当初は散発的に出現していたが,1990年ごろから急激に増加し,現在では日常分離される肺炎球菌の半数以上を占めるに至っている(図1).
ペニシリン耐性肺炎球菌の耐性機構は,ペニシリン結合蛋白(PBPs)の変化であり,β-ラクタム系薬の耐性に関与するのはPBP1A,2X,2A,2Bの4種とされている.これらPBPの変化は1種のみの場合は軽度耐性が発現し,複数のPBPが変化した場合は,より高いMIC値を来したり,β-ラクタム系薬の多剤耐性化が発現するとされている3).
ペニシリン耐性肺炎球菌の耐性機構は,ペニシリン結合蛋白(PBPs)の変化であり,β-ラクタム系薬の耐性に関与するのはPBP1A,2X,2A,2Bの4種とされている.これらPBPの変化は1種のみの場合は軽度耐性が発現し,複数のPBPが変化した場合は,より高いMIC値を来したり,β-ラクタム系薬の多剤耐性化が発現するとされている3).
掲載誌情報