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Topics 1998
薬剤耐性菌感染症ニューキノロン耐性グラム陰性桿菌
著者: 山岸純一1 井上松久2
所属機関: 1大日本製薬(株)創薬研究所 2北里大学医学部微生物学教室
ページ範囲:P.1470 - P.1471
文献購入ページに移動大腸菌Gyraseのキノロン耐性変異は,表1に示すごとく,GyrA蛋白の83番目のセリン周辺およびGyrB蛋白の中央部2か所で生じ,これら変異部位は,活性中心,すなわちDNA共有結合部位(122番目のチロシン)近傍に局在することがX線講造解析の結果から明らかになっている.このようなGyrase変異により,Gyrase・DNA複合体に対するキノロンの結合親和性が低下し,キノロン耐性を獲得すると考えられる.また,Topo IVのParC変異部位も, GyrAのキノロン耐性決定領域に対応することから,TopoIVもGyraseの場合と同様のメカニズムにより,キノロンに耐性化すると推測される.また,緑膿菌やその他の細菌においてもGyrAやParCの耐性変異は,大腸菌の場合と類似しており,標的酵素の変異による耐性メカニズムは,広く細菌に共通しているものと思われる.
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