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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻11号

1998年10月発行

文献概要

Topics 1998

ヘリコバクター感染症

著者: 藤岡利生1

所属機関: 1大分医科大学第2内科

ページ範囲:P.1476 - P.1476

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 Helicobacter pylori感染症はヒトにおける最も頻度の高い慢性の細菌感染症の1つであり,その分布は全世界に広がり,胃癌を含めて1),すべての年齢層の胃・十二指腸疾患と関連があると考えられている.特に本菌の除菌治療により消化性潰瘍の再発が著しく抑制され2),最近では消化性潰瘍の最も基本的な治療法と考えられるようになってきた.H. pyloriはヒトの胃粘膜に感染する微好気性でラセン状のグラム陰性桿菌であり,極めて強いウレアーゼ活性を示す.本菌は酸度が中性になっている胃粘液の下層に侵入し,粘膜上皮細胞や細胞間隙あるいは粘液内に生息してさまざまな病原因子の働きにより胃粘膜を傷害する.
 本菌の感染に特徴的な臨床症状はみられず,本菌の感染が引き起こすと考えられている疾患と関連した症状であり,本菌感染のみに特徴的な臨床症状はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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