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文献概要
今月の主題 遺伝子多型と疾患 話題
薬物代謝酵素の遺伝子多型
著者: 谷川原祐介1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部薬剤部
ページ範囲:P.1561 - P.1564
文献購入ページに移動1.はじめに
薬物に対する生体の反応性には個人差が認められ,同一用量を服用しても薬物血中濃度に大きな差を生ずることがある.その結果,副作用発現や治療効果に少なからず影響を及ぼすことになる.この原因として,肝・腎機能障害や薬物相互作用のように後天的要因によるものと,先天的に代謝酵素を欠損している遺伝的素因による場合がある.近年の分子生物学のめざましい進展は,ヒトゲノムにおける薬物代謝酵素のDNA塩基配列やその遺伝子変異の解明に大きく貢献し,薬物代謝能の遺伝的多型性が分子レベルで明らかにされつつある.
薬物に対する生体の反応性には個人差が認められ,同一用量を服用しても薬物血中濃度に大きな差を生ずることがある.その結果,副作用発現や治療効果に少なからず影響を及ぼすことになる.この原因として,肝・腎機能障害や薬物相互作用のように後天的要因によるものと,先天的に代謝酵素を欠損している遺伝的素因による場合がある.近年の分子生物学のめざましい進展は,ヒトゲノムにおける薬物代謝酵素のDNA塩基配列やその遺伝子変異の解明に大きく貢献し,薬物代謝能の遺伝的多型性が分子レベルで明らかにされつつある.
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