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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻12号

1998年11月発行

文献概要

今月の主題 遺伝子多型と疾患 話題

ミトコンドリアDNAと長寿

著者: 田中雅嗣1

所属機関: 1(財)岐阜県国際バイオ研究所遺伝子治療部

ページ範囲:P.1571 - P.1575

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1.ミトコンドリアDNAの構造
 心筋細胞の断面をみると,ミトコンドリアがその約1/3を占めている.心筋はエネルギーを作り出すミトコンドリアとエネルギーを消費するアクトミオシンがその体積の大部分を占めている.1個の細胞には数百個のミトコンドリアが存在し,それぞれのミトコンドリアには数個のミトコンドリアDNA (mtDNA)が存在するので,1つの細胞には数千コピーのmtDNAが存在している.mtDNAは16569塩基対からなる環状二重鎖DNAである.mtDNAには蛋白質を規定する13種の遺伝子と,ミトコンドリア内での蛋白質の合成に必要な2種のリボソームRNA遺伝子と,22種のトランスファーRNA遺伝子が存在している.核のDNAの大部分はイントロンで占められ,機能している遺伝子が占める割合は低いが,mtDNAはほとんどすべての部分が機能しており,その発現量は非常に大きい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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