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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻12号

1998年11月発行

文献概要

トピックス

バイオマーカー―食事摂取の指標としての活用

著者: 𠮷池信男1

所属機関: 1国立健康・栄養研究所成人健康・栄養部

ページ範囲:P.1592 - P.1594

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 バイオマーカー(biomarkerあるいはbiologi-cal marker)は,生体がさまざまな環境因子の曝露を受け,健康な状態から疾病状態に至る連続的な変化をとらえるための指標である.一般的には,①曝露の状況,②曝露がもたらす効果(生体変化),③曝露に対する個体の感受性に分類される1).疫学研究において,要因と疾病発症との間の因果関係を検討する際に不可欠な情報2)を,客観的な指標として,提供するものである(図1).
 ここで,曝露要因として"飲酒"を,疾病として"アルコール性肝炎"を例として考えてみよう."飲酒"すなわち"エタノールの経口的曝露"に関する情報は,呼気中や血中のエタノール濃度で,おそらく本人の申告よりも"客観的"に示される.また,エタノールパッチテストにより,個々人のアルデヒド脱水素酵素2型(ALDH2)の活性,すなわちエタノールに対する個体の処理能力に関して,ある程度判定ができる.一方,"健康な状態"から"アルコール性肝炎"に至る過程は,γGTP, GOT, GPT値などの連続的な変化によっても,とらえることができるだろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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