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今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・12
特殊急性白血病・低形成白血病
著者: 栗山一孝1 朝長万左男2
所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設
ページ範囲:P.1604 - P.1605
文献購入ページに移動骨髄は,hypocellularであるが芽球の増加が認められ,これらの芽球はFAB分類可能な急性白血病で認められる芽球と本質的に異なることはない(図1).相対的リンパ球増多を呈することが多く,全有核細胞中芽球が30%に満たないことがあるが,リンパ球を除くと30%以上となる.前述したように低形成骨髄であることは骨髄生検で決定するのが最もよいが,骨髄生検が困難な場合にはclot sectionでも十分有用である.また,全身骨髄のMRI検査が,骨髄cellularityを評価するうえで大いに参考となる.骨髄生検像は図2に示すように,著明な低形成骨髄すなわち芽球や造血細胞は多くの脂肪細胞の間隙に認められるのみである.低形成白血病の芽球は,ミエロペルオキシダーゼ(myeloperoxidase; MPO)活性が低いことが多い.図3にはMPO陰性芽球が多い中に陽性芽球を示す.MPO陽性率が低く,ときに3%未満であっても抗MPO抗体による免疫細胞化学法では,陽性のことがしばしばある.また,CD13陽性であることも多く(図4),リンパ性抗原を示すことはほとんどない.
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