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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻13号

1998年12月発行

文献概要

トピックス

ホモシステインと糖尿病

著者: 奈須正人1 片山善章1

所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.1684 - P.1686

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1.はじめに
 動脈硬化や虚血性心疾患発症の危険因子として,高脂血症,高血圧,喫煙,肥満,糖尿病などが考えられているが,虚血性心疾患の患者の中にはなんら危険因子を持たない場合もしばしばある.特に,若年で発症した場合には,体質的な未知の因子によるものと考えられる.その中でかなり重要と思われるのが,軽度の高ホモシステイン血症である.
 ホモシステインが注目されたのは,遺伝子疾患であるホモシスチン尿症の研究において,心臓病との関係に気づいたのが始まりとされる.血中に蓄積した非常に高濃度のホモシステインが,動脈硬化の原因と考えられた.現在では,既に知られている心臓病の危険因子の多くもホモシステインとの関連で説明が可能とされている.さらに,糖尿病患者には,動脈硬化や心臓病の発症がよくみられるが,ホモシステインとの関係について最近の知見を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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