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小児基準値設定における基本統計理論
著者: 丹後俊郎1
所属機関: 1国立公衆衛生院疫学部
ページ範囲:P.218 - P.220
文献購入ページに移動1.はじめに
ヒトの成長(年齢をχ)に伴って検査値Yが変動する基本的なモデルは次のようになる.
Y=f (χ)+∈,∈~ℜ(0,σ2(χ)) (1)ここでf (χ)は加齢による平均値の変動曲線,∈は個体差のばらつきで平均0の確率分布ℜに従い,かつその分散σ2(χ)は年齢によって変化する.小児基準値設定の問題は,統計学的には固体差の分布ℜの100pthパーセンタイル,yp(χ)を推定する問題にほかならない.臨床的基準範囲の下限と上限はそれぞれ,2.5パーセンタイルと97.5パーセンタイルで定義される.しかし,①誤差分布ℜが未知で正規分布しない項目が多い,②加齢に伴う変動を表現する関数f (χ)が未知,③個体差の分散σ2(χ)も年齢によって変動する,などの問題点からその推定は見かけほど簡単ではない.
ヒトの成長(年齢をχ)に伴って検査値Yが変動する基本的なモデルは次のようになる.
Y=f (χ)+∈,∈~ℜ(0,σ2(χ)) (1)ここでf (χ)は加齢による平均値の変動曲線,∈は個体差のばらつきで平均0の確率分布ℜに従い,かつその分散σ2(χ)は年齢によって変化する.小児基準値設定の問題は,統計学的には固体差の分布ℜの100pthパーセンタイル,yp(χ)を推定する問題にほかならない.臨床的基準範囲の下限と上限はそれぞれ,2.5パーセンタイルと97.5パーセンタイルで定義される.しかし,①誤差分布ℜが未知で正規分布しない項目が多い,②加齢に伴う変動を表現する関数f (χ)が未知,③個体差の分散σ2(χ)も年齢によって変動する,などの問題点からその推定は見かけほど簡単ではない.
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