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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻3号

1998年03月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

染色体テロメア配列の検査法

著者: 山田修1 神田尚俊2

所属機関: 1東京女子医科大学血液内科 2東京農工大学農学部獣医学科

ページ範囲:P.323 - P.328

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はじめに
 真核生物の染色体DNAは直鎖であり,その末端(テロメア)を構成する特異的なDNAがテロメア配列と呼ばれる.この配列は広範な生物種において著しく共通性が高く,進化の過程で長い間保存されてきた1).哺乳動物のテロメア配列は(TTAGGG)nで,ヒト体細胞では1回の分裂ごとに各染色体末端から50~200塩基短くなると考えられ,細胞老化のマーカーとなる細胞分裂時計として注目されている2,3).しかし,このようなテロメア配列の短小化は生殖細胞では起こらず,また,腫瘍細胞のテロメア配列制限酵素断片長はしばしば短小化しているが,そのサイズは一定に保たれている.これは,これらの細胞では染色体末端にテロメア配列を付加する機能を持つテロメレース(テロメア配列伸長酵素)が働いているからである.テロメレースはRNA蛋白複合体で,酵素内にあるRNAはテロメア配列合成の鋳型となる.つまり,この酵素は逆転写酵素の活性を持っているのである4).腫瘍細胞におけるテロメア配列の短小化やテロメレース活性の有無も腫瘍の性状と関係していると考えられている5,6)
 本稿ではテロメア配列の平均断片長の測定法とテロメレース酵素活性のアッセイ法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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