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DNAソースとなる試料の採取と保存に関連した倫理的問題
著者: 恒松由記子1 掛江直子2
所属機関: 1国立小児病院血液科 2早稲田大学人間総合研究センター
ページ範囲:P.344 - P.346
文献購入ページに移動ヒトゲノム解析プロジェクトは着々と進んでいて21世紀の初めに全解読が終わるという.遺伝子診断も日常遭遇する疾患を予知する時代に入り,より正確な診断,治療そして,プライマリー・ケアにおける予防戦略の有用性が期待されている.
1997年の11月にパリで開かれた国連教育科学文化機関(ユネスコ)総会ではヒトの遺伝研究に関する国際倫理ガイドラインとして"ヒトゲノムと人権に関する世界人権宣言"を全会一致で採択した.宣言ではヒトの遺伝情報を"人類の遺産"とし,特に遺伝差別の禁止をうたっている.また,遺伝研究や遺伝子の研究,遺伝子診断,遺伝子治療の際には事前にインフォームドコンセント(以下,IC)が必要であるとした.本槁ではDNAのソースとしての試料の採取と保存に関する倫理的問題についての最近の動向を解説したい.
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