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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻3号

1998年03月発行

文献概要

研究

GC/MSによる代謝異常マススクリーニング法の検討―ウレアーゼ処理直接乾固法と溶媒抽出法の比較

著者: 山口清次1 木村正彦1 付暁巍1 伊賀三佐子1 大家隆晴1

所属機関: 1島根医科大学小児科

ページ範囲:P.357 - P.363

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 尿100μlを用いてウレアーゼ処理し直接乾固して誘導体化する方法(直接法)が考案され,GC/MSによる有機酸代謝異常などのマススクリーニングが検討されている.この方法と,従来から有機酸分析に用いられてきた溶媒抽出法を比較検討した.有機酸,アミノ酸などの市販標準品で回収率を比較し,代謝異常症40例(有機酸代謝異常30名,アミノ酸代謝異常10名)の尿を用いて実際の診断精度を検討した.
 有機酸の回収率は,αケト酸以外は直接乾燥法も溶媒抽出法も一部を除いて大きな差はなかった.一方,直接法では,有機酸に加えてアミノ酸や糖類なども検出され応用範囲は広がる可能性がある.両者ともに,微量の尿でも異常物質が多量に排泄される疾患では診断に問題ないが,診断指標物質の量が少ない一部の疾患では,false negativeもありうることがわかった.これらに関してはいくつかの工夫が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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