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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻4号

1998年04月発行

文献概要

今月の主題 肥満 巻頭言

肥満

著者: 片山善章1

所属機関: 1国立循環器病センター臨床検査部

ページ範囲:P.383 - P.384

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 肥満といえば,自分の体重が標準体重より何kgオーバーしているかが気になる.その式は,標準体重=〔身長(cm)-100〕×0.9あるいは身長(cm)-105を一般の人たちは利用する.医学的には,理想体重=〔身長(m)〕2×22が標準体重の算出式として日本肥満学会から提言されている.22の数値は体格指数(body mass index; BMI)であり,その算出式はBMI=体重(kg)/〔身長(m)〕2である.また,肥満度(%)は(実測体重―標準体重)/標準体重×100で算出する.したがって,肥満の判定はBMIと肥満度(%)を組み合わせて,痩せ,普通,過体重,肥満の4段階で表現される.さらに,体脂肪量も肥満判定の指標であり,それは体脂肪率で表す.また,最近では,その真偽はわからないが,体脂肪率を簡単に測定できる簡易器械が話題になっている.このように,肥満は老若男女あるいは医療関係者の有無を問わず話題になることが多い.
 肥満は身体に脂肪が過剰に蓄積された状態を言う.その成因は過食,誤った食事の摂り方,遺伝的素因,運動不足,熱産生障害,精神的因子などが複雑に絡み合って構成される.いわゆる成因不明の単純性肥満(原発性肥満とも言う)である.一方,内分泌性,中枢性などの基礎疾患が原因となっている肥満は症候性肥満(二次性肥満とも言う)と呼ばれている.一般的に,肥満と言えば単純性肥満のことを言い,習慣や意志という後天的な問題として扱われてきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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