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今月の主題 肥満 総説
疾患の背景となる肥満
著者: 中村正1 松澤佑次1
所属機関: 1大阪大学医学部第2内科
ページ範囲:P.385 - P.394
文献購入ページに移動 疾患の背景となる肥満は,医学的見地から減量治療を要する肥満すなわち"肥満症"であり,肥満症をターゲットとした診断,病態解析,治療方針の確立が重要である.特に,脂肪量の絶対的な増加よりも,ヒ半身肥満に代表される脂肪分布の差異が大きく関与することが明らかとなっている.さらに,上半身肥満の中でも,腹腔内の内臓脂肪の増加する内臓脂肪型肥満が疾患の病態基盤として重要である.最近になって,脂肪細胞の分子生物学が進展し,内臓脂肪が代謝上活発であり,しかも多数の生理活性物質を産生する臓器であることが明らかにされつつあり,その観点からの病態解明へのアプローチがなされつつある.
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