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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻5号

1998年05月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編

Nested-PCR法による化膿性髄膜炎の遺伝子診断法

著者: 猿田克年1 庵原俊昭2 町田勝彦1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学臨床検査医学 2国立療養所三重病院

ページ範囲:P.566 - P.578

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はじめに
 感染症の患者に良質かつ適切な治療を提供するには,原因となる病原微生物を正確に検出・同定しなくてはならない.細菌感染症の場合には,治療を始める前に必要とされる各種の培養検査を行い,病原細菌が判明するまでは経験に基づいた初期治療(エンペリックセラピー)を行う.次いで病原細菌が同定されたら,必要に応じてより感受性のある抗菌薬に変更するのが基本である.しかしながら,細菌感染症であることが明らかな場合であっても,培養検査に先行して前医などにおいて既に抗菌薬による治療が開始されている場合などは病原細菌が検出されないことも多い.こうした定石どおりの対応がとれない症例ほど,症状が重篤であったり,治療に緊急性を要することが多いのである.したがって,細菌感染症の治療成績を向上させるためにも,新しい迅速診断法の開発が期待されている.ここでは,多種類の細菌を広範に検出し系統的に同定する新しい遺伝子検査法として,Nested-PCR(ネステッドポリメラーゼ連鎖反応)法を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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