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中皮細胞の免疫組織化学的特徴―新しい中皮マーカーを中心に
著者: 伊藤仁1 長村義之2
所属機関: 1東海大学医学部付属病院病理診断科 2東海大学医学部病態診断系病理学部門
ページ範囲:P.585 - P.585
文献購入ページに移動中皮細胞は免疫組織化学的にケラチン,ビメンチン,デスミンの3種の中間径フィラメントが陽性を示す.特に肉腫型中皮腫におけるケラチンの証明は,肉腫との鑑別診断上重要である.また,卵巣癌の腫瘍マーカーであるCA 125が高率に陽性を示し,epithelial membrane antigen (EMA)は中皮細胞では陽性率が低いが,中皮腫,特に上皮型では高陽性率を示す.また,従来からcar-cinoembryonic antigen (CEA)が腺癌との鑑別に有用なマーカーとして応用されている.CEAと同様に中皮腫では陰性を示すマーカーとして,Ber-EP 4, Leu-M 1,VU-1 D 9, B 72.3などのモノクローナル抗体が知られている.また,新しい上皮性マーカーとしてMOG-31(Dako)と言われるモノクローナル抗体が市販されている.筆者らの体腔液を用いた検討では,腺癌は高い陽性率を示し,中皮細胞の陽性率は低く,陽性を示す症例でもその数はきわめて少ない(表1).
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