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文献詳細

雑誌文献

臨床検査42巻9号

1998年09月発行

文献概要

トピックス

Notch 3遺伝子とCADASIL

著者: 宇山英一郎1

所属機関: 1熊本大学医学部附属病院神経内科

ページ範囲:P.1050 - P.1052

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1.発生分化におけるNotchの意義
 Notchは,無脊椎動物のショウジョウバエにおける形態形成に働く遺伝子として,約80年前に発見されていた1).その名称は,キイロショウジョウバエのNotch遺伝子のヘテロ変異体において,翔がギザギザ(notch)になるところに由来している.ホモ変異体では,発生期の段階で,表皮が犠牲となり,神経細胞だけが過剰に増殖して死に至るため,neurogenic遺伝子とも称される.すなわち,Notchは生物の発生分化過程で細胞の運命を決定するという,きわめて重要な機能を担っている1).したがって,線虫など他の無脊椎動物をはじめ,ニワトリ,マウス,ヒトなどの脊椎動物にも共通してNotchあるいは相同体は存在し,その機能は進化の過程で種を超えて見事に保護されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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