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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻10号

1999年10月発行

文献概要

今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・22

リンパ増殖性疾患・多発性骨髄腫

著者: 前田隆浩1 栗山一孝1 朝長万左男2

所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設

ページ範囲:P.1068 - P.1069

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 多発性骨髄腫(MM)はBリンパ球の最終分化段階である形質細胞の腫瘍性疾患である.単クローン性の免疫グロブリンあるいは軽鎖(lightchain)を産生するが(M蛋白),まれに産生や分泌をしない症例が存在する.M蛋白の種類によってIgG型,IgA型,IgD型,IgE型,BenseJones型に分類される.病変の広がりによって,多発性,孤立性,髄外性,そして末梢血中に骨髄腫細胞が出現する形質細胞性白血病に分類される.しかし,孤立性でもしだいに多発性に移行することが多い.骨髄腫細胞は一般に偏在した核を有し,好塩基性の胞体と核周明庭が観察され形質細胞の特徴を残しているが,ときに核が偏在せず核網が繊細で核小体を有した芽球様を呈することがある.
 図1にBense Jones型多発性骨髄腫症例の骨髄像を示す.偏在した核と好塩基性の強い胞体の大型骨髄腫細胞を骨髄有核細胞中39%認めた.核網はやや繊細で核周明庭は明らかではないが,よく形質細胞の特徴を残している.一部の細胞に小さな空胞を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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