文献詳細
今月の主題 血管壁細胞
各論―測定と病態との関連
文献概要
一酸化窒素(NO)は血管壁において内皮細胞より産生され,血管平滑筋の弛緩作用や,血小板凝集抑制作用を有し,血圧調節因子,抗動脈硬化因子として働いている.高血圧,高脂血症,糖尿病などの病態ではいずれも内皮細胞からのNO産生が低下しており,血管障害の発症や進展の一因になっている.NOは反応性の高いラジカルであり体液(血液,尿など)のNOを直接測定することは難しいが,NOの代謝物であるNOx(NO2―+NO3)―をGriess法を用いて間接的に測定することができる.しかし食物中にもNOxが含まれており,その測定値の解釈には注意を要する.
掲載誌情報