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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻10号

1999年10月発行

文献概要

今月の主題 血管壁細胞 話題

血管内皮細胞の酸化LDL受容体

著者: 井上和彦1 沢村達也1

所属機関: 1国立循環器病センター研究所バイオサイエンス部細胞生物学研究室

ページ範囲:P.1166 - P.1170

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1.はじめに
 血管はその内腔を覆う血管内皮細胞と血管平滑筋細胞や周細胞といった壁細胞によって構成されている.このうち,血液と諸臓器間のバリアーとしてのみ機能すると考えられてきた血管内皮細胞は,近年の研究成果によりそれだけにはとどまらない様相を呈してきた.血管内皮細胞が種々の刺激に応じてエンドセリンや一酸化窒素(nitricoxide;NO)といった血管作動物質をはじめ,各種細胞増殖因子や白血球接着分子などを発現することが明らかになった今,血管内皮細胞は細胞間,臓器間の間に立って,生体の情報を変換・伝達する機能を担う細胞として考えるのが妥当であろう.したがって,血管内皮細胞の機能的な変化は生体の恒常性に影響を及ぼし,さまざまな病態を引き起こす原因になると考えられる.このうち,動脈硬化で特に重要と考えられているのが酸化LDLである(図1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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