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特集 臨床検査の新しい展開―環境保全への挑戦 Ⅰ.地球環境の現状とその保全
4.水質汚染と生物への影響
著者: 青島恵子1
所属機関: 1富山医科薬科大学医学部公衆衛生学
ページ範囲:P.1223 - P.1229
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地球は水惑星と呼ばれるように,地球表面の4分の3は水に覆われ,その総量は約14億km3である(表1).水は存在場所により大きく海水と陸水に分けられ,陸水はさらに大陸や氷河の氷,河川や湖沼に存在する地表水,そして地表面下に存在する地中水に分けられる.これらの水は太陽エネルギーを源にして,水,水蒸気,氷などにその姿を変えながら,大気圏,陸水圏,海洋圏を大循環している1).河川や湖沼の水(淡水)は1%以下に過ぎないが,この極めてわずかの淡水が陸生生物の死活を制している.今日,ヒトという1つの種の活動によって,水環境の汚染が急速に進行している.本稿では,日本と世界における水需要の実態を垣間見た後,地下水,河川,湖などの水環境の汚染とヒトを含む生物への影響を概観する.
地球は水惑星と呼ばれるように,地球表面の4分の3は水に覆われ,その総量は約14億km3である(表1).水は存在場所により大きく海水と陸水に分けられ,陸水はさらに大陸や氷河の氷,河川や湖沼に存在する地表水,そして地表面下に存在する地中水に分けられる.これらの水は太陽エネルギーを源にして,水,水蒸気,氷などにその姿を変えながら,大気圏,陸水圏,海洋圏を大循環している1).河川や湖沼の水(淡水)は1%以下に過ぎないが,この極めてわずかの淡水が陸生生物の死活を制している.今日,ヒトという1つの種の活動によって,水環境の汚染が急速に進行している.本稿では,日本と世界における水需要の実態を垣間見た後,地下水,河川,湖などの水環境の汚染とヒトを含む生物への影響を概観する.
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