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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻11号

1999年10月発行

文献概要

特集 臨床検査の新しい展開―環境保全への挑戦 Ⅱ.環境問題と疾病 3.海洋汚染と国際的課題

1)海洋汚染がもたらすもの―重油

著者: 森田明美1

所属機関: 1近畿大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.1274 - P.1280

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はじめに
 1997年1月に起きた日本海におけるナホトカ号重油流出事故は記憶に新しいが,海洋の重大な汚染を引き起こす.
 流出油が7トンを超えるような事故は,年間30~40件起こっている1).大型タンカーの事故で最も流出量が多かったのは,1979年カリブ海で起きたアトランティック・エンプレス号の座礁事故で約30万トンが流出した.日本でもこれまでに,1971年新潟港沖で座礁したジュリアナ号による原油の流出や,1974年岡山県の三菱石油水島製油所のタンク損傷によるC重油の流出事故が起こっている(表1)2).海上保安庁によれば,小さな事故まで含めると,油による海洋汚染は年間400件発生している(図1)3)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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