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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻11号

1999年10月発行

文献概要

特集 臨床検査の新しい展開―環境保全への挑戦 Ⅱ.環境問題と疾病 3.海洋汚染と国際的課題

2)海洋汚染で測定されている金属類―水銀,スズ

著者: 安藤哲夫1

所属機関: 1鹿児島大学医学部公衆衛生学

ページ範囲:P.1281 - P.1286

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はじめに
 海洋を汚染している金属類は多種類あるが,特に水俣病の経験やアマゾン流域での金採掘に伴う金属水銀の使用などから水銀が,最近の環境ホルモンへの関心度の高まりによる巻き貝類のインポセックスを引き起こすスズが注目されている.
 この2つの金属の生体への影響がそれぞれヒトと無セキツイ動物に顕著であることで水銀とスズは対比されているが,この2つの金属の海洋汚染における対比はこれにとどまらない.水銀は過去にみられた農薬,工場排水による人為的汚染に加え,火山活動を主とする自然由来の水銀がその化学形態を金属水銀,無機水銀,メチル水銀(有機水銀)と変えながら(そのうえでそれぞれの化学形態で毒性発現が異なっている)環境中を大気,降雨(土壌),河川,湖沼と移動し,最終的に海洋を汚染するという人為的かつ自然由来の複合海洋汚染物質である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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