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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻11号

1999年10月発行

文献概要

特集 臨床検査の新しい展開―環境保全への挑戦 Ⅱ.環境問題と疾病 3.海洋汚染と国際的課題

3)牡蠣などの細菌・ウイルス汚染

著者: 福田伸治1

所属機関: 1広島県保健環境センター微生物第二部

ページ範囲:P.1287 - P.1291

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はじめに
 高度で豊かな生活の追求はときとして化学物質あるいは微生物による海洋汚染を起こす.化学物質による海洋汚染は重篤な疾病を引き起こすことがあり,その例としては,水俣病が有名である.一方,微生物による海洋汚染はヒトに感染性胃腸炎という結果をもたらすことがある.感染性胃腸炎はビブリオ属菌のように広く海洋に分布する病原細菌により発生する場合もあるが,多くの場合,糞口感染サイクル(fecal-oral route)が成立しており,海洋を汚染した糞便由来の病原微生物が水産食品とともに経口摂取されることで発生している.ここでは,近年話題となっている小型球形ウイルス(small round structured virus)と牡蠣との関連を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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