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文献概要
特集 臨床検査の新しい展開―環境保全への挑戦 Ⅱ.環境問題と疾病 5.水環境の汚染と疾病
2)原虫による水道水の汚染
著者: 保坂三継1
所属機関: 1東京都立衛生研究所水質研究科
ページ範囲:P.1337 - P.1344
文献購入ページに移動はじめに
近代水道の発達と塩素消毒による衛生的な飲料水の供給は,コレラやチフスなど古典的な水系感染症の制圧に絶大な威力を発揮した.しかし特に近年は,従来からの制御対象であった細菌に加えてウイルスや原虫などによる感染症が注目されてきている.
水系感染の統計データが公表されている国は世界的にも少ないなかで,米国では1920年から水系流行のデータが整備されている(表1).これを見ても,近年は原虫感染症が発生件数,患者数ともに細菌性およびウイルス性の水系感染を大きく上回っている状況が明白である.こうした現状から,ここでは水道水の新たな微生物汚染として近年特に注目されている病原性原虫の問題について述べる.
近代水道の発達と塩素消毒による衛生的な飲料水の供給は,コレラやチフスなど古典的な水系感染症の制圧に絶大な威力を発揮した.しかし特に近年は,従来からの制御対象であった細菌に加えてウイルスや原虫などによる感染症が注目されてきている.
水系感染の統計データが公表されている国は世界的にも少ないなかで,米国では1920年から水系流行のデータが整備されている(表1).これを見ても,近年は原虫感染症が発生件数,患者数ともに細菌性およびウイルス性の水系感染を大きく上回っている状況が明白である.こうした現状から,ここでは水道水の新たな微生物汚染として近年特に注目されている病原性原虫の問題について述べる.
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