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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻3号

1999年03月発行

文献概要

今月の主題 肝炎 話題

最近,話題の薬物性肝炎

著者: 嶋津伸子1 松本和則1

所属機関: 1東京都老人医療センター消化器科

ページ範囲:P.325 - P.328

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1.はじめに
 薬剤性肝障害には,肝機能検査によって偶然発見される検査値異常のみの軽度の障害から,発熱や黄疸など全身症状を伴って発症し,ときには死に至ることがある重篤な障害までさまざまな病態が含まれている.このうち,肝細胞障害が主体で臨床像がウイルス性肝炎に似た病態は薬剤性肝炎と呼ばれるが,ここでは薬剤性肝障害に一括する.現在,薬剤による肝障害かどうかを判断する信頼性のある検査法がないことから,薬剤性肝障害の診断は薬剤使用後に肝障害が発現し中止によって回復すること,および薬剤以外に肝障害を起こす明らかな原因がないことなどを基本とする詳細な臨床的検討による方法が最も確実である.通常,重篤な肝障害を起こす原因薬剤であることが判明するまでにはある程度の症例の集積が必要である.したがって,日常診療において劇症肝炎などの重篤な肝障害を未然に防止するには,日ごろから副作用情報に通じておくことが大切である.
 本稿では薬剤性肝障害の成立機序や原因薬剤に関する最近の話題を紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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