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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻7号

1999年07月発行

文献概要

今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・19

リンパ増殖性疾患・成人T細胞白血病

著者: 栗山一孝1 前田隆浩1 朝長万左男2

所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設

ページ範囲:P.722 - P.723

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 成人T細胞白血病/リンパ腫(adult T cell leu-kemia/lymphoma;ATL)は末梢性T細胞増殖性疾患であり,病因ウイルスであるhuman T-lymphotropic virus type-Ⅰ(HTLV-I)のプロウイルスが腫瘍T細胞に単クローン性に組み込まれている.したがって,ATLの確定診断はサザンプロット法によってこれを証明する必要がある.ATLの病型は白血化,臓器浸潤,高LDH血症,高カルシウム血症の有無により急性型,リンパ腫型,慢性型,くすぶり型に分類される.ATL診断の契機は,多彩な臨床症状にもよるが末梢血液像で異常リンパ球を指摘される場合が最も多い.
 急性ATLでは,増殖している異常リンパ球は,核網構造は凝集あるいは凝縮し核小体は認めず,核形は変形が強いものから類円形に近い小型が主体であるが,なかに核網がやや繊細で核小体を認める中型から大型も混在する(図1).また急性型では,図2に示すように中型から大型のリンパ芽球様の細胞増殖を認める場合がある.骨髄にも同様細胞増殖が認められることもあり,急性リンパ性白血病との鑑別を要する.図3は中型で,原形質が比較的広く,核網構造はやや繊細で柔らかく,核に軽度の切れ込みを有する.一見Seza-ry細胞に類似しているが,ATLに典型的な小型の核変形の強い細胞も認める.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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