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今月の表紙 血液・リンパ系疾患の細胞形態シリーズ・19
リンパ増殖性疾患・成人T細胞白血病
著者: 栗山一孝1 前田隆浩1 朝長万左男2
所属機関: 1長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設分子医療部門分子治療研究分野 2長崎大学医学部附属原爆後障害医療研究施設
ページ範囲:P.722 - P.723
文献購入ページに移動急性ATLでは,増殖している異常リンパ球は,核網構造は凝集あるいは凝縮し核小体は認めず,核形は変形が強いものから類円形に近い小型が主体であるが,なかに核網がやや繊細で核小体を認める中型から大型も混在する(図1).また急性型では,図2に示すように中型から大型のリンパ芽球様の細胞増殖を認める場合がある.骨髄にも同様細胞増殖が認められることもあり,急性リンパ性白血病との鑑別を要する.図3は中型で,原形質が比較的広く,核網構造はやや繊細で柔らかく,核に軽度の切れ込みを有する.一見Seza-ry細胞に類似しているが,ATLに典型的な小型の核変形の強い細胞も認める.
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