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文献詳細

雑誌文献

臨床検査43巻9号

1999年09月発行

文献概要

今月の主題 生活習慣病 総説

一次予防と臨床検査

著者: 野口慶久1 有吉聡子1 樽原真二1 丸山征郎2

所属機関: 1鹿児島大学医学部附属病院検査部 2鹿児島大学医学部附属病院検査部臨床検査医学講座

ページ範囲:P.963 - P.968

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 わが国においてはライフスタイルの欧米化,すなわち,食事脂肪の増加や運動不足,ストレスなどによって急速に疾病の構造が変わりつつある.これらは最近生活習慣を基盤にした疾患という意味で生活習慣病と言われている.
 そのなかでも現在注目されているものは肥満,特に内臓脂肪型肥満とそれに伴う疾患群である.すなわち,内臓脂肪型肥満はインスリン抵抗性を基盤として脂質代謝異常,糖代謝異常,高血圧などの種々の疾患を引き起こすことが判明して注目されている.
 この内臓肥満症候群に続発する種々の合併症には,脂肪細胞が大きな役割を果たすことがわかってきた.内臓脂肪は古くは単なるエネルギー貯蔵庫であると考えられていたが,最近ではレプチンをはじめとするアディポサイトカインと総称される種々の生理活性物質を分泌し,生体のエネルギー代謝調節のみならず血圧,免疫,凝固系などに関与する重要な内分泌臓器であることが明らかになっている.したがって,この過剰は糖代謝異常,動脈硬化,高血圧,血栓症など種々の合併症を引き起こすことになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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