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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻1号

2000年01月発行

文献概要

今月の表紙 帰ってきた寄生虫シリーズ・1

回虫

著者: 藤田紘一郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部医動物学

ページ範囲:P.4 - P.5

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 回虫Ascaris lumbricoidesは人類の有史以来知られ,中国では,黄帝の時代(3,700B.C.),ヨーロッパではヒポクラテスの時代(460B.C.)の記録が残っている.わが国でも昔から回虫のことを"はらのむし"などといい,人と回虫の間には深いかかわりがある.
 回虫はミミズ様の淡紅色の線虫である(図1).lumbricoidesはミミズ様のという意味である.英語では,roundwormと呼ばれている.成虫は雌約30cm,雄約20cmで体幅は4~5mmである.雄の尾端部は腹側に曲がり細長い交接刺を有しているので肉眼でも雌雄の鑑別はできる(図2).頭部には3個の口唇を有し,表面には感覚乳頭を持っている(図3).虫卵には受精卵と不受精卵があり(図4),雌の単独寄生の場合は不受精卵が検出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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