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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻1号

2000年01月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 用語解説編

用語解説・1

著者: 舩渡忠男1 阿部美有樹1

所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科病態制御学講座分子診断学分野

ページ範囲:P.95 - P.101

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組換えDNA技術
 組換えDNA技術は,DNAを扱う多くの手法が統合され,遺伝子を単離し,増幅させ,遺伝子産物の機能解析を可能とする遺伝子工学の強力な手段である.すなわち,この技術の基本は,細胞内染色体を切断して特定部位での末端を持つDNA分子にする技法と,得られたDNA断片を分離して塩基配列を決定する技法である(図1).前者においては,細菌由来の制限酵素によるDNA特定部位での切断により,種々の遺伝子の操作,特にDNA切断部位同士の結合が容易となった.後者では,任意のDNAの塩基配列を決定できるようになった(シークエンス法).さらに,組換えDNA技術は特定の塩基配列を核酸ハイブリッド形成反応により,細胞内,染色体,DNAである核酸プローブと相同性を持っDNA断片を迅速に検索しうる手法により展開した.したがって,遺伝子解析におけるこれら一連の技術はあらゆる生物現象の解明に有力な手段であり,今日遺伝子を扱うあらゆる研究室での基本的技術として用いられている.最近では,細胞の染色体に遺伝子の一部を組み込むことが受精卵や植物などで可能となり,トランスジェニックマウス,遺伝子組換え食品,医薬品(ワクチンなど)などに利用され応用範囲が広がっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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