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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の主題 血流 話題

High-Intensity Transient Signals(HITS)の測定

著者: 山上宏1 長束一行1

所属機関: 1国立循環器病センター内科脳血管部門

ページ範囲:P.189 - P.192

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1.はじめに
 1982年にAaslidら1)が開発した経頭蓋超音波Doppler法(Transcranial Doppler;TCD)は,2MHzの超音波探触子を側頭部に固定し,Dop-pler信号により中大脳動脈などの頭蓋内主要脳動脈の血流速度を無侵襲に測定する方法である.この方法を用いて,くも膜下出血後の血管攣縮や頭蓋内血管の狭窄性病変の診断,手術中や虚血性脳血管障害例の脳循環の評価など,さまざまな頭蓋内の情報が得られることが報告されてきた.
 一方,1960年代から潜水病や開心術中に動脈血流を超音波でモニタしていると,空気または他の気体と思われる一過性の強いDoppler信号が捉えられることが報告されていた.本来,Dop-pler法は血管内の血液の速度に依存した超音波信号の変化により血流速度を測定するものだが,正常血液の構成成分とは大きさも音響インピーダンスも異なる物体(栓子)が通過したときに強いDoppler信号が捉えられる.これを一般にhigh-intensity transient signals(HITS)あるいは微小栓子信号(micro-embolic signals;MES)と言う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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