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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻2号

2000年02月発行

文献概要

今月の主題 血流 話題

生体における微小循環内での血小板の挙動解析

著者: 末松誠1 片山富博2 伊藤昌春2 石村巽1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部医化学教室 2愛媛大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.196 - P.198

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1.はじめに
 血小板がADPやノルエピネフリン,コラーゲンなどの物質と接触し活性化されることは血小板凝集検査にこれらの刺激物質を用いることにみるまでもなく古くからよく知られている現象である.教科書的には血小板は血管内皮細胞の近傍では,プロスタサイクリンや一酸化窒素(NO)などの抗血小板物質の作用により活性化が抑制されており,内皮細胞の損傷によるコラーゲンとの接触があって初めて活性化されると考えられてきた.一方,血小板が流れに伴うshear stressにより活性化されることとその分子機構がin vitroで明らかにされつつある.しかしながら流体下でかつ生体内での血小板の挙動解析とその分子機構については,血管内を高速で流れる微小粒子である単一血小板を画像化して捉えることが技術的に困難であるために極めて知見が乏しかった.
 本稿ではこの問題を解決するために開発された生体の微小循環における血小板の撮像技術について紹介する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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