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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻2号

2000年02月発行

文献概要

シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 用語解説

用語解説・2

著者: 前川真人1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.208 - P.212

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ゲノム
 ゲノムとは,DNAの1次構造すべてを指すものと考えればよく,ヒトゲノムは30億塩基対すべての配列を指す.このなかには,10万種類の遺伝子が存在する.遺伝子は遺伝情報を持った1単位であり,ゲノム上には遺伝情報を持たない遺伝子と遺伝子のつなぎのような部分も存在するため,ゲノムは全遺伝子よりも大きい概念と言える.
 ヒトにおいては,精子と卵子から生じた受精卵から出発し,ヒト1個体を形成する約60兆個の細胞にまで分裂,分化していく.それぞれの細胞には22対44本の常染色体と1対2本の性染色体の合計46本の染色体があり,10万種類の遺伝子を含んだゲノムがたたみこまれている.各遺伝子は,染色体の決められた位置に局在し,遺伝子のプローブがあれば,in situ hybridizationによって,その遺伝子の局在を決定することも可能である.個々の細胞の核内には父親・母親由来のそれぞれ1個づつの遺伝子が存在し,この対を成す遺伝子を対立遺伝子(allele)と呼ぶ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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