文献詳細
文献概要
今月の主題 糖化蛋白と蛋白のグリケーション 話題
HbA1C測定の標準化
著者: 星野忠夫1
所属機関: 1病態解析研究所
ページ範囲:P.269 - P.274
文献購入ページに移動1.標準化への背景
グリコヘモグロビンは生体内での生成挙動から,持続する高血糖症の現在最も有効な指標であると考えられ,長・中期的血糖積分値の指標として測定され糖尿病の血糖管理に用いられてから久しいが,その指標としての統一的評価が可能な測定が十分満足される状況で行われているとは言えない.個々の施設での評価では,ラボが1つの測定法を採用しその精度管理を十分に行っていれば,施設内に問題を生ずる測定は少ないようだ.しかし,1つの施設内でも異なる数種の測定方法を採用している場合や異なった測定施設問での測定では,同一試料を測定してもその測定結果の差異は依然として大きく,臨床の現場間での混乱や病態解析の結果比較での食違いは解消されていない.ここに生ずる混乱や食違いは国内ばかりでなく国際的規模でみるとより深刻である.
このような測定上の問題を抱えながらもグリコヘモグロビンは臨床研究での指標として用いられ,DCCT,UKPDS,厚生省糖尿病調査研究などの調査結果がすでに報告されている.これらの貴重な結果を臨床現場に適用しようにも,そこに示されている表示値を直接使えないジレンマがある.臨床化学における指標の要件「指標による患者の統一評価の実現」を満たしていないゆえんである.
グリコヘモグロビンは生体内での生成挙動から,持続する高血糖症の現在最も有効な指標であると考えられ,長・中期的血糖積分値の指標として測定され糖尿病の血糖管理に用いられてから久しいが,その指標としての統一的評価が可能な測定が十分満足される状況で行われているとは言えない.個々の施設での評価では,ラボが1つの測定法を採用しその精度管理を十分に行っていれば,施設内に問題を生ずる測定は少ないようだ.しかし,1つの施設内でも異なる数種の測定方法を採用している場合や異なった測定施設問での測定では,同一試料を測定してもその測定結果の差異は依然として大きく,臨床の現場間での混乱や病態解析の結果比較での食違いは解消されていない.ここに生ずる混乱や食違いは国内ばかりでなく国際的規模でみるとより深刻である.
このような測定上の問題を抱えながらもグリコヘモグロビンは臨床研究での指標として用いられ,DCCT,UKPDS,厚生省糖尿病調査研究などの調査結果がすでに報告されている.これらの貴重な結果を臨床現場に適用しようにも,そこに示されている表示値を直接使えないジレンマがある.臨床化学における指標の要件「指標による患者の統一評価の実現」を満たしていないゆえんである.
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