文献詳細
文献概要
今月の主題 糖化蛋白と蛋白のグリケーション 話題
AGEレセプター
著者: 卯木浩之1 米倉秀人2 山本靖彦3 山岸昌一4 山本博5
所属機関: 1金沢大学医学部生化学第二教室 2金沢大学医学部生化学第二教室 3金沢大学医学部生化学第二教室 4アルバートアインシュタイン医科大学糖尿病センター 5金沢大学医学部生化学第二教室
ページ範囲:P.285 - P.288
文献購入ページに移動慢性的な高血糖状態では,ブドウ糖などの還元糖が蛋白質のアミノ基と非酵素的に反応して後期糖化反応生成物(advanced glycation end-products;AGE)を生ずるに至る,いわゆるメイラード反応が加速的に進行する.この結果,循環血液や組織中で蓄積されるAGEが,血管病変発生の引き金となり,網膜症・腎症といった糖尿病性血管合併症の発症につながるものと推測されている1).AGEの生物学的な作用は,AGEをリガンドとして特異的に認識する細胞表面レセプターによって仲介される2~4).これらのレセプターは生体内に蓄積されたAGEを除去・分解に導くばかりでなく,AGEと複合体を形成することによりケモタキシス,遺伝子の活性化,サイトカイン・成長因子の産生亢進などの細胞応答を引き起こす.本稿では,代表的なAGE受容体について概説した後,われわれの教室で得られた知見をもとに,receptor for AGE (RAGE)を中心に糖尿病性血管症発症,進展とのかかわりについて述べてみたい.
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