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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻3号

2000年03月発行

文献概要

今月の主題 糖化蛋白と蛋白のグリケーション 症例

糖尿病患者における赤血球膜上のクロスリンの動態分析

著者: 尾林博1 中村耕2 山口満喜子3 中埜幸治4

所属機関: 1社団法人京都微生物研究所 2日本臓器製薬株式会社生物活性研究所 3京都第一赤十字病院内科 4公立山城病院内科

ページ範囲:P.294 - P.296

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 糖尿病性血管合併症の発症,進展における後期糖化産物(AGE)の病因論的,病体生理学的意義を臨床的観点から明らかにすることを目的として,血液試料による主要AGEの1つであるクロスリン(XL)の高感度酵素免疫測定法(ELISA)を確立し,糖尿病患者(合併症の有無により区分)の赤血球膜XL (EMP-XL)を測定し,その臨床評価を行った.糖尿病患者のEMP-XL量は健常者に比較して有意に高値であり,さらに糖尿病性網膜症を有する患者では網膜症を有さない糖尿病患者に比べ有意に高値であった.EMP-XL量の増加は糖尿病性網膜症の発症,進展に深く関与することが示唆され,EMP-XL量の測定は糖尿病性網膜症の発症,進展の有用なマーカーとなるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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