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SHV-由来ESBL産生大腸菌
著者: 黒川博史1 八木哲也1 柴田尚弘1 荒川宜親1
所属機関: 1国立感染症研究所細菌・血液製剤部
ページ範囲:P.319 - P.322
文献購入ページに移動1980年代中期以降,欧米諸国において,ceft-azidime (CAZ)やcefotaxime (CTX)などのオキシイミノ系のセフェム薬(いわゆる第三世代セフェム薬)に耐性を示すKlebsiella pneumoniaeやEscherichia coliが多数検出されるようになった.これらは,プラスミド性のTEM-1やSHV-1型ペニシリナーゼが変異した結果,拡張型の基質特異性を獲得した新しいβ-ラクタマーゼであることが報告され,TEM-or SHV-derived extended spectrum β-lactamaseと呼ばれ,また「ESBL」と略記されるようになった.その後,欧米諸国では,これらESBL産生菌の分離例や解析例について多くの研究報告が行われ,現在までにTEM-型ESBLは約70種,SHV-型ESBLは約12種類が登録され,それらは「ESBLs」と総称されている.
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