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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻3号

2000年03月発行

文献概要

研究

健常者におけるTTVDNA検出率とA型肝炎およびHelicobacter pylori感染との関連性

著者: 櫻井伊三1 牧隆之1 野田幸一1 藤岡高弘2 箱崎幸也2 桑原紀之1

所属機関: 1自衛隊中央病院研究検査部 2自衛隊中央病院内科

ページ範囲:P.331 - P.334

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 非A-G型肝炎ウイルスTTVは,健常者においても検出され,しかも血行感染のみではなく,経口感染による伝播も考えられている.そこで,34~60歳の健康な男性225名を対象に.TTV DNA, HA抗体,H.pylori IgG抗体を測定し,出生年代別の感染率の相関性について検討した.その結果,HA抗体とH.pylori HgG抗体は,出生年代が早い群ほど感染率は高く,しかも両者は有意な相関性を示した.一方,TTV DNAは,出生年代による検出率に差異はほとんどなく,平均感染率は17.3%であり,HA抗体,H.pylori IgG抗体との相関性も認められなかった.したがって,TTVの経口感染は,A型肝炎やH.pylori感染とは異なった経路によるのではないかということが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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