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今月の表紙 帰ってきた寄生虫シリーズ・5
日本海裂頭条虫
著者: 藤田紘一郎1
所属機関: 1東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学
ページ範囲:P.468 - P.469
文献購入ページに移動 最近よく経験するのが日本海裂頭条虫(Diphyl-lobothrium nihonkaiense)感染である.これまで広節裂頭条虫として扱われていたが,現在では別種であると考えられている.しかし,その鑑別は難しい.
ヒトのほかイヌ,ネコ,クマ,キツネ,セイウチなどが保虫宿主となる.第1中間宿主はケンミジンコ,第2中間宿主はサクラマスやカラフトマスなどサケ属の魚類である.その感染は,幼虫プレロセルコイドが寄生しているサクラマス,カラフトマスなどの生食による.日本海裂頭条虫卵は12世紀ごろの平泉「柳之御所跡」の便所遺構より検出され,800年も前からヒトはサクラマスなどを生食していたようである.
ヒトのほかイヌ,ネコ,クマ,キツネ,セイウチなどが保虫宿主となる.第1中間宿主はケンミジンコ,第2中間宿主はサクラマスやカラフトマスなどサケ属の魚類である.その感染は,幼虫プレロセルコイドが寄生しているサクラマス,カラフトマスなどの生食による.日本海裂頭条虫卵は12世紀ごろの平泉「柳之御所跡」の便所遺構より検出され,800年も前からヒトはサクラマスなどを生食していたようである.
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