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文献概要
シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Technology編
site-directed mutagenesis
著者: 奥村伸生1 寺澤文子1
所属機関: 1信州大学医療技術短期大学部衛生技術学科
ページ範囲:P.557 - P.562
文献購入ページに移動クローニングした遺伝子の構造と機能の関係を明らかにしたり,既に遺伝子の構造が知られている蛋白質の構造と機能の関係を明らかにするために,DNAの構造を人工的に変えた変異型DNAを作製し,そのDNA自体の機能およびそのDNA情報から遺伝子工学によって作製した蛋白質の機能を解析する方法として,site-directed mutagenesis (指定変異導入法)1,2)が有用である.これは,合成ヌクレオチドを用いてヌクレオチド単位の置換,欠失,挿入などを自由に行うことができる方法である.また,同様の目的に亜硝酸を用いたsegment-directed mutagenesis3)やカセット変異法4)などが用いられる.site-directed muta-genesisにおいては現在各社からgapped duplex法5,6)あるいはuracil DNA法7,8)を原理とした種々のキットが発売されている.これらの方法に関する解説は他の総説9)および各社の説明書を参考にしていただきたい.本総説では,われわれが使用しているDeng andNickoloffの方法10)によるsite-directed mutagenesisについて解説したい.なお,この方法を利用したキットはCLONTECH社からTransformerTM Site-Di-rected Mutagenesis Kitとして発売されている.
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