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文献概要
シリーズ最新医学講座―遺伝子診断 Application編
無セルロプラスミン血症
著者: 宮嶋裕明1
所属機関: 1浜松医科大学第一内科
ページ範囲:P.563 - P.570
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無セルロプラスミン血症(以下,本疾患という)は新たな鉄代謝異常症で,セルロプラスミン遺伝子の変異によりセルロプラスミン蛋白の欠失をきたし,脳,肝臓,膵臓をはじめとする金身の諸臓器への鉄の過剰蓄積を来す常染色体劣性遺伝の疾患である.臨床症候は,成人発症の神経症状,糖尿病,網膜変性症を特徴としている.本疾患は,われわれが1987年に初めてFamilial apoceruloplasmin deficiency1)と発表したもので,その後のHereditary ceruloplasmin defi-ciency2)と同じ疾患である.最近はAceruloplasmi-nemiaが一般的となっており,無セルロプラスミン血症(あるいはセルロプラスミン欠損症)という名称が適当と思われる.以下,セルロプラスミンおよび本疾患の臨床的特徴と遺伝子異常について述べる.
無セルロプラスミン血症(以下,本疾患という)は新たな鉄代謝異常症で,セルロプラスミン遺伝子の変異によりセルロプラスミン蛋白の欠失をきたし,脳,肝臓,膵臓をはじめとする金身の諸臓器への鉄の過剰蓄積を来す常染色体劣性遺伝の疾患である.臨床症候は,成人発症の神経症状,糖尿病,網膜変性症を特徴としている.本疾患は,われわれが1987年に初めてFamilial apoceruloplasmin deficiency1)と発表したもので,その後のHereditary ceruloplasmin defi-ciency2)と同じ疾患である.最近はAceruloplasmi-nemiaが一般的となっており,無セルロプラスミン血症(あるいはセルロプラスミン欠損症)という名称が適当と思われる.以下,セルロプラスミンおよび本疾患の臨床的特徴と遺伝子異常について述べる.
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