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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻5号

2000年05月発行

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トピックス

バイアグラによる眼の副作用

著者: 三宅養三1

所属機関: 1名古屋大学医学部眼科

ページ範囲:P.574 - P.575

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 シルデナフィル(商品名バイアグラ)は,英国ファイザー研究所で合成されたcGMP特異的ホスポジエステラーゼタイプ5(phosphodiesterasetype 5;PDE 5)に対する選択的阻害薬であり,臨床的には勃起不全(erectile dysfunction;ED)に用いられる.陰茎勃起のメカニズムに関しては,以下のようなことが明らかとなった.すなわち,中枢が性的に興奮すると,陰茎に投射した非アドレナリン非コリン作動性神経終末や海綿体内皮細胞から一酸化窒素(NO)が遊離する.NOは海綿体平滑筋細胞内におけるcGMP量を増加させ,このcGMPの作用により平滑筋細胞は弛緩し,その結果,陰茎海綿体への血液流入が増加し,勃起が発現する.
 陰茎海綿体には,cGMPの分解酵素としてPDE 5が存在している.バイアグラは,陰茎海綿体に多く存在するPDEを選択的に阻害することにより,細胞内のセカンドメッセンジャーcGMPの濃度を維持し,陰茎海綿体血管平滑筋の弛緩機能を維持・増強し,海綿体へ流入する血液を増加させ,陰茎勃起を誘発,または増強する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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