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文献詳細

雑誌文献

臨床検査44巻6号

2000年06月発行

文献概要

今月の表紙 帰ってきた寄生虫シリーズ・6

マンソン弧虫

著者: 藤田紘一郎1

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学

ページ範囲:P.588 - P.589

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 マンソン裂頭条虫身Spinometra erinaceiは本来イヌ,ネコの腸管に寄生している条虫である.ヒトに成虫が寄生することはまれであるが,その幼虫プレロセルコイドが組織内に寄生するマンソン孤虫症Sparganosis mansoniは多数報告されている.北海道(1例)はじめ全国に分布する.
 ヒトは,第1中間宿主のケンミジンコを水とともに飲んだり,第2中間宿主のヘビ,カエル,トリ(地鶏)を生食して感染する.ヒトの体内では成虫にならず,プレロセルコイドのまま体内を移行し,幼虫移行症を起こす.ヒトは待機宿主となっているのである.強壮剤としてヘビの生き血を飲んだり,カエルやヘビの生皮を湿布する民間療法で経皮感染した例もあり,特に,げてもの食いには気をつけてほしい.幼虫はヘビの皮下やカエル筋肉内に寄生している(図1,2).ヘビの生き血による感染は,血液を採るときに皮下の幼虫が混入したためであろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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